走ると膝の外側が痛む「腸脛靭帯炎(ランナー膝)」。膝を揉んでも戻る理由と、太もも外側の筋膜

スポーツ, 身体の悩み

「ランニング中や走ったあと、膝の外側にピシッと痛みが走る」
「階段を降りるときに、膝の外側がズキッとする」
「休ませて揉んでも、走り出すとまた同じところが痛む」

大好きなランニングを中断して膝をマッサージしたり湿布を貼ったりしても、走り始めるとまた痛む——そんな経験はありませんか。「軟骨がすり減った?」「フォームが悪い?」と悩む方も多いですが、膝の関節そのものではないところに関わりがある場合も少なくありません。

その背景の一つとして、太ももの外側を上から下まで走る筋膜の帯「腸脛靭帯(ちょうけいじんたい)」と、その奥の筋膜の「すべりの低下(高密度化)」が関わっていると考えられています。この記事では、その関係と、SOIL²の「筋膜セラピー」の視点をご紹介します。

はじめに大切なこと:膝の外側の痛みには、腸脛靭帯炎のほかに、半月板や靭帯の損傷、関節の障害など、医療機関での診断・治療が必要なものもあります。膝が腫れる・ガクッと崩れる感じがある・引っかかって伸びない(ロッキング)・強い痛みがある・痛みが続く/悪化するときは、まず整形外科にご相談ください。本記事は医療行為・診断ではなく、施術の考え方のご紹介です(感じ方には個人差があります)。

1. なぜ「膝の外側」でこすれて痛みが出やすいのか

腸脛靭帯は、お尻の筋肉(大殿筋)や太もも外側の筋肉(大腿筋膜張筋)から始まり、膝の外側の骨の出っ張り(大腿骨外側上顆)を越えて、すねの骨へとつながる、とても丈夫な筋膜の帯です。

膝を曲げ伸ばしするたびに、この帯は膝の外側の出っ張りの上を前後にスライドします。ふだんは、筋膜のあいだの「ヒアルロン酸」が潤滑の役目をして、なめらかに動くと考えられています。ところが、長距離ランニングや使いすぎ、骨盤の傾きなどが重なると、太もも外側の筋膜が引き伸ばされ続け、ヒアルロン酸が固まってすべりが低下しやすくなります(「高密度化」)。

すべりを失った帯が膝の外側の出っ張りにこすれると、強い摩擦の刺激(剪断ストレス)が生まれます。筋膜には痛みを感じるセンサーが筋肉の数倍〜10倍ほど多いとする報告があり、こすれるたびにこのセンサーが反応して、「走り続けられないほどの痛み」として感じられる一因になるのではないか、という見方です。

2. 膝を揉んでも戻りやすい理由は「太もも外側・お尻」にある

痛むのは「膝の外側」ですが、こすれの大元にある“引っ張り”は、さらに上の「太もも外側の筋膜」や「お尻の筋膜」にひそんでいることが多いと考えられています。

太もも外側の筋膜が固まって縮んでいると、膝の外側の帯が常にピンと張った“弦(つる)”のような状態になりやすく、その状態で膝を曲げ伸ばしすれば、膝だけを揉んでも大元の引っ張りが残るため、また摩擦が起きて痛みが戻りやすい——という見方です。

3. 太もも外側〜お尻の筋膜に向き合う「筋膜セラピー」の考え方

SOIL²の「筋膜セラピー」は、膝を無理に押すのではなく、大元の太もも外側からお尻にかけての筋膜のすべりを、やさしく整えることを目指す施術です。次のような視点で、筋膜にはたらきかけます。

  • 太もも外側・お尻の固まった筋膜をゆるめる:固まったポイントに、ていねいな圧とあたたかい摩擦を加え、固まったヒアルロン酸をやわらげ、すべりを取り戻すことを目指します。
  • “弦の張り”をやわらげる:太もも外側の筋膜の引っ張りがゆるむと、膝の外側の帯の張りがやわらぎ、こすれの刺激が起こりにくくなると考えられています。
  • 走り・階段のラクさの変化:摩擦の刺激がやわらぐことで、走ったり階段を降りたりするときの膝の外側のつらさが軽くなったと感じる方もいます(個人差があります)。

施術後に一時的な軽いだるさを感じることもありますが、しばらくかけて筋膜のすべりが整っていくと考えられています。

まとめ:痛む「膝」だけでなく、その大元の“太もも外側”へ

ランナー膝のつらさは、膝だけをケアしても戻りやすいことがあります。まず医療機関で必要な確認をしたうえで、あわせて太もも外側〜お尻の筋膜のすべりを整えていくことが、ラクに走れることにつながる可能性があります。(膝の腫れや強い痛み、引っかかりが続くときは、まず整形外科にご相談ください。無理な走り込みはお休みも大切です。)

土をやわらかく耕すと根がのびのびと張れるように、固まった筋膜がすべりを取り戻すと、脚は少しずつ動かしやすさを思い出していきます。走ると膝の外側が痛む方は、ぜひ一度ご相談ください。ご来店を心よりお待ちしています。

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※本記事は健康・施術に関する一般的な情報提供であり、特定の効果を保証するものではありません。膝の痛みには、腸脛靭帯炎のほか、半月板・靭帯の損傷、関節の障害など医療機関での診断・治療が必要なものも含まれます。膝の腫れ・崩れる感じ・引っかかり・強い痛みがある場合や、痛みが続く・悪化する場合は、まず整形外科にご相談ください。感じ方には個人差があり、本記事は医療行為・診断に代わるものではありません。

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